活動報告・啓発活動

【草加市議会】2023年9月定例会 一般質問内容について 

はじめに 一般質問内容について

・市議会 一般質問にて取り上げた内容を掲載します。

・ここでは、議場で読み上げる為の原稿を掲載しております。実際の質問の場では、若干その場で言い回しは変えている箇所もございますが、その点はご了承願います。

・実際の中継は、下記リンクよりご確認願います。

草加市議会 議会中継 川崎ひさのり一覧

 

公式LINEについて

【質問】

現在は様々な情報をSNSを通じて得ることができますが、中でもLINEは2023年6月時点で 登録者は、9500万人にのぼり、これはSNS利用者中の86%と高い利用率となっております。

さらには、先日のテレビニュースにおいては、現在のシニア層の通信手段はメールよりLINEの方が多いとの報道がありました。今やLINEはシニア層を含めた幅広い世代に活用されているようです。

そうした中、このLINEを 多くの自治体も取り入れ、公式ラインとして、それぞれ独自の発信を行なっております。

草加市でもラインを使った情報配信がなされており、毎日、かなりの量の情報を投稿いただいており、担当されている方のご苦労を察しいたします。

ただ、一方で残念に感じる部分があります。

まず開くと下にあるメニューですが、現段階では、6枠構成になっており、左上から右へ「新型コロナ」「ホームページ」「届く情報を選ぶ」左下から右へ「気象情報」「講座・イベント」「子育て」とあります。

このうち、「気象情報」「子育て」をタップすると、誘導されるサイトは、画面表示がスマートホン対応になっておらず、非常に見にくいことが挙げられます。

また、この「気象情報」はタップすると、防災気象情報を表示してくれるのですが、メニューの意図としては、この「防災の気象情報」をお知らせしたいメニューなのだと思いますが、公式ラインを利用している方は、これはいわゆる普通の天気予報を表示してくれるものと思っている方も少なくなく、こちらの表記の仕方は見直しが必要かもしれません。

そして他の自治体では、公式ラインから各種の申請や届出の受付を行うことができる仕様にして、市民の方の利便性を向上させているところもあったり、アンケートを行なっているところもあります。

今議会はちょうど決算審議の月でありますので、今月は皆様、アンケート費という言葉を、直近で目にしているかとは思いますが、アンケートをラインで行えれば、大きな経費の削減にもつながるものと考えられます。

同じ埼玉県内の行田市では、今年2月にSNSに関するアンケートをラインで実施し、(約78000人の総人口に対し、)4868人の回答が得られています。

 また県は違いますが、福島市では、ラインでのアンケート結果をホームページでも公表しています。

これらの事を踏まえて、質問が4点です。

1つ目は、現在の草加市の公式ラインの登録者数をお示しください。

2つ目に、公式ラインに登録してもらうための広報活動と、目標にしている登録者数についてお示しください。

3つ目に、LINEの情報発信は誰がどのような形でなされているのかお示しください。

最後、4つ目に、今後、計画しているメニューのメンテナンス、情報発信内容があれはお示しください。

 

【答弁】

 初めに、草加市の公式LINEの登録者数につきましては、令和5年9月1日現在で16,577人でございます。

 次に、公式LINEに登録してもらうための広報活動と、目標にしている登録者数についてでございますが、広報活動につきましては、広報そうかにおいて適時お知らせしているほか、ホームページや市民便利帳等にも公式LINEへの登録を呼びかけており、直近では広報そうか9月5日号にて紹介しております。

 目標としている登録者数につきましては、数値目標は定めておりませんが、災害等の緊急時における情報伝達手段の一つでもあることから、なるべく多くの方にご登録いただきたいと考えております。

 今後は、地域の皆様が集まる会議等でも積極的に登録を呼びかけてまいりたいと考えております。

 次に、LINEの情報発信は誰がどのような形で行っているのかについてでございますが、市民の方への周知が必要な行政情報を発信する必要がある所属長が「すぐメールプラス」というサービスを活用して、LINE、メール、その他SNS等、発信したいメディアを選択し、情報発信しております。

 最後に、今後、計画しているメニューのメンテナンス、情報発信内容についてでございますが、市民の皆様の利便性や市としてアピールしたい内容、重要度等を勘案して、市民の皆様にとってより使いやすいサービスとなるよう努めてまいります。

 また、公式LINEを使ったアンケートにつきましては、他自治体を参考にしながら、検討してまいります。

 

【要望】

まずは更なる、市民の皆様が登録したくなるような、公式ラインにアップデートしていただき、登録者数を目標を決めて、増やしていただいた上で、先程事例として申し上げました、アンケート業務をラインを使って行えるようにしていただければ、郵送等の職員さんの手間や、経費の削減にも繋がると思いますので、こちら前向きなご検討をお願い申し上げます。

 

 

高齢者地域見守りサービスについて

冒頭、最近、市の防災放送を通じて、迷い人のアナウンスが増えているように感じます。

これらの多くは認知症の方だという話をうかがっております。認知症の方への自立支援を尊重することが求められている現在、社会全体で、病気に対しての理解を深めていかなければなりません。

また認知症に関わらず、体調不良者の発見、事故の未然防止等、地域社会で協力し合うことで、増加傾向にある、単身世帯の高齢者を支える必要性もあります。

このような支援として、市では、支援が必要な人を早めに発見していくことで、高齢者がこれからも安心して住み慣れた地域の中で暮らしていく見守り体制として「草加市高齢者地域見守りネットワーク」が展開されております。

これは市内の事業所さんに、「草加市高年者地域見守りネットワーク協力事業所」として登録してもらい、高齢者のちょっとした異変に気づいた時に、地域包括支援センターに連絡する仕組みとなっています。

こちらの取り組みは、市長の掲げる 「安心・安全・環境」 暮らしに寄り添うまちづくり を地域の方々と共有する、とても意義ある取り組みだと思います。

そこでこちらは質問6点です。

・1つ目は現在、登録事業所数は451事業所あると、ホームページに記載されておりますが、主たる事業所はどのような業者で、直近で事業所からどの位の報告・通報があったのかをお示しください。

・2つ目に、登録事業所の拡大は、いつ、誰が、どのように行なっているのかをお示しください。

・3つ目に、より多くの市民の皆様にも、見守りに参加してもらうために、事業所の方だけではなく、個人の方にも協力をお願いすれば良いかとも思いますが、事業所に限定している理由があればお示しください。

・4つ目に、地域包括支援センターに連絡が入ると、どのような流れで、連絡いただいた案件に対応するのかをお示しください。

・5つ目に、もし、お知らせいただいた対象者の方を確認に行った際、病気でかつ、その方に身寄りがいなかった場合には、どのような対応をされるのかをお示し下さい。

・最後6つ目に、冒頭申し上げた、迷い人に対する対策として、他市では、認知症による徘徊行動をする恐れのある在宅高齢者が、行方不明となってしまう場合に備えて、靴や杖、持ち物に連絡先を書いて貼れる、黄色の反射材を使用したラベルを発行して、早期発見・保護、事故の未然防止ができるように努めている取り組みがあります。これはコストもそれほどかからず、行政が行うサービスとしては有効だと考えますが、このような早期発見・保護に備えた行政サービスについて、市の見解をお示し下さい。

 

【答弁】

 初めに、高年者地域見守りネットワークの主な事業所と直近における事業所からの通報件数、内容についてでございますが、主な登録事業所につきましては、介護事業所、コンビニエンスストア、薬局、銀行・郵便局、医療機関、小売販売店、スーパーマーケットなどとなっており、多くの業種の事業所の皆様にご登録いただいていております。

 通報件数につきましては、令和4年度の実績で申し上げますと8件で、主な内容といたしましては、同じ用件で何度も窓口に来る、お弁当などを大量購入するなどの認知症が疑われるような場合にご連絡をいただいております。

 次に、登録事業所の拡大についてでございますが、事業所の登録に当たっては、原則として、地域包括支援センターが担当する圏域内の事業所にお伺いし、事業の趣旨説明を行い、ご賛同いただけた事業所の登録を行っているところでございます。また、市の窓口でも、事業所の皆様から事業に協力したい旨のご相談があった際には、登録をお願いし、事業所所在地の地域包括支援センターと情報共有を行い、連携を図っているところでございます。

次に、登録対象を事業所にしている理由についてでございますが、高年者見守りネットワーク事業につきましては、市内事業所の皆様が日常業務の中で高年者の異変に気が付いたときに通報・連絡をいただくことで、高年者の見守りの体制の一端を担っていただくことを目的としているため事業所を対象としておりますが、高年者の方の見守りについては、地域・個人の皆様のご協力も大変重要であると認識しております。

 そのため、個人の方が認知症の方を地域で見守る「共生」の体制づくりの一環として、日常生活において、認知症の方の見守りや手助けをしていただく認知症サポーターを養成する講座を実施しております。講座は、認知症の症状への理解や日常の場面ごとの対応方法などについて学んでいただく内容となっており、地域住民向けのほか、小学生向け、企業向けなど様々な方に講座を受講していただき、より多くの見守り活動に繋げております。

 市といたしましては、認知症サポーターという個人の見守りに加えて、市内で実際に高年者の方の対応に携わる事業所の皆様の活動を通して見守りにご協力いただくという、個人と事業所の両面で、お困りの高年者の方を見逃さない体制の構築を目指しているところでございます。

 次に、通報後の対応についてでございますが、通報があった際には、原則、市や地域包括支援センターの職員が対象者を訪問し、困りごとがないか聞き取りを行い、その内容に応じて、関係課との連携や介護サービス等の利用など本人に必要な支援に繋げる対応を行っております。

 次に、通報後において、病気や身寄りが無い方だった場合の対応についてでございますが、訪問時の聞き取りで、病気等により生活に支障を来している場合には、医療機関への受診勧奨や生活環境を整えるために介護サービス等の導入を行うための支援を行っております。

 また、身寄りの無い方につきましては、生活状況や身体状況の聞き取りを行いながら、介護サービス等の導入の支援を行い、また、認知症などにより、契約行為などが難しい場合は、市の担当ケースワーカーと地域包括支援センターが連携を行いながら、市長申立による成年後見制度を活用するなど本人が安心して生活できるよう支援を行っております。

 最後に、早期発見・保護のためラベル等を配布する事業についてでございますが、この事業は、徘徊行動の恐れがある高年者の方に連絡先等が記載されたラベルを配布し、持ち物に貼ることで、道に迷われてしまった場合、ラベルの連絡先等に連絡することで迅速に保護できるものでございますが、一方では、高年者の方の中には、人の目の見える範囲にラベル等を貼ることに関して拒否感を持つ方も一定数いらっしゃることから、高年者の方の早期発見・保護と尊厳の両立が課題であると考えております。

 従いまして、本市においては、認知症高年者の方の早期発見・保護の取組として、外出時に行方不明になった際に早期に発見できるよう小型のGPS端末を貸与する認知症高年者位置情報探索事業を実施し、個々の高年者の方への支援を行うとともに、警察等の関係機関とも連携を密にし、早期保護の取組を行っております。

 加えて、認知症サポーター養成講座や高年者見守りネットワーク事業を実施し、市民の皆様の認知症への理解を深める取組を行い、今後も、これらの事業を推進する中で、早期発見・保護の取組と本人の尊厳の尊重を両立させる手法について検討を行いながら、認知症の方が地域で安心して暮らせるよう、地域で支え合う「共生」の体制づくりを行ってまいりたいと考えてございます。

 

【要望】

超高齢化社会を迎える中、また高齢者単身世帯が増えていく中で、ご年配の方、そしてその家族の方々に、草加市を、安心して暮らせる、ついの住処として選択していただくためにも、この見守りネットワークをさらに拡充することで、ご答弁にありました、地域で支え合う共生の体制づくりを、是非ともお願いいたします。

 

認知機能障害について

【質問】

続きまして最後に、認知機能障害について、中でも若年層の認知機能に支障をきたす障害の中でも、あまり理解が進んでいない、若年性認知症、高次脳機能障害についての質問をさせていただきます。

若年性認知症は、65歳未満に発症した認知症性疾患を総称して、若年性認知症と言います。高次脳機能障害は、脳卒中などの病気や交通事故などで脳の一部を損傷したために、思考・記憶・行為・言語・注意などの脳機能の一部に障害が起きた状態をいいます。 これらは外見からは分かりにくい障害であるために、周りの人から十分に理解を得ることが難しく誤解されてしまうことがあります。

これら症状の一例としては、何度も同じ事を話したり質問したりする「記憶障害」、気が散りやすく、仕事上でのミスが多くなる「注意障害」、感情のコントロールができない「感情障害」のような様々な症状があり、日常生活に支障をきたします。

ただ先ほど申し上げました通り、これらの障害は理解が進んでいない為、支援体制があまり整っておらず、障害を負ったことの苦しみに加え、障害当事者が望むような適切な支援を受けられないことが大きな課題となっています。

その一因として、若年性認知症や高次脳機能障害において、支える制度が「障害福祉サービス」と「介護保険サービス」の2つの制度にまたがっていることで分かりにくくなっていることが挙げられます。

もう少し具体的に言うと、2000年に、介護保険が制度化されたことで、40〜65歳未満の第2号被保険者では、介護保険サービスのほうが優先されますが、高次脳機能障害が精神障害者福祉手帳の対象になっていたり、高次機能障害のうち、失語症の場合だけは、身体障害者福祉手帳の対象となっていたりしています。

65歳以上からは、障害者支援サービスから、介護支援サービスに切り替わるが故、ある意味整理しやすいのですが、40〜65歳未満の第2号被保険者にとっては、やや複雑なサービスの仕組みとなっており、それらをしっかり理解している関係者が少ないといった現状があるようです。

ただ若年性認知症や高次脳機能障害の方への支援体制は、平成9年12月に、身体障害者福祉審議会、中央児童福祉審議会 障害者福祉部会及び公衆衛生審議会の在り方についての中間報告 において、「身体障害を伴わない高次脳機能障害については、精神福祉法において必要な福祉サービスを充実すべきである。ただし、当面、精神薄弱者の類似した障害の状態にある者については、精神薄弱者施設等の利用を行えるようにする方途も検討すべきである。」と指摘されたことを受けて整備されてきているはずで、草加市においても、認知症、高次脳機能障害等の器質性精神障害と診断を受けた方は、その特性を踏まえた障害福祉サービスを利用できるようになっていると思います。

しかし、草加市のホームページを見る限り、障害福祉サービスで、若年性認知症や、高次脳機能障害など、器質性精神障害の方向けの政策がまだまだ整備されているようにはみえません。他市では、若年性認知症・高次機能障害という言葉を使って周知を図っているところが多々見受けられますが、草加市ではそれが見つからない一面があるようにも思われます。

市長の市政方針演説で、「福祉政策では、高齢者・若者・乳児まで「誰一人取り残さない」福祉を目指します。」と話されていました。

これらの事を踏まえて、ここで質問5点です。

・1つ目は、これまでにも、草加市の議会にて若年性認知症や高次脳機能障害について質問がありましたが、現在の若年性認知症・高次脳機能障害に係る市の認識と広報紙やホームページでの周知状況をお示しください。

・2つ目は、これは草加市に限らず、職員の方の障害の理解が、まだ行き届いていない側面がありますが、現在市では、どのように職員の方に対して啓発活動や研修を行なっているのかをお示しください。

・3つ目は、障がいへの理解を踏まえ、障がい者に対する就労支援についてどのように行っているのかお示しください。

・4つ目は、介護保険サービスが優先される若年性認知症や高次脳機能障害となった2号被保険者の方に対して、介護保険課と障がい福祉課の連携体制、及び介護保険サービスと障がい保険サービスの併用できる福祉サービス等の相談体制についてお示しください。

・5つ目は、平成 29 年の社会福祉法改正により、地域福祉推進の理念が規定され、これを実現するため に、市町村は「包括的な支援体制」づくりに努める旨が示されました。市町村において「包括的な支援体制」の構築を推進するための事業として、令和2年の社会福祉法改正により創設されたのが重層的支援体制整備事業ですが、この点において、現在の市の取り組みをお示しください。

 

【答弁】

 初めに、若年性認知症と高次脳機能障害の認識と周知についてでございますが、記憶力、言語能力、判断力など生活や社会活動全般において重要な認知機能が低下する認知機能障がいについては、その特性から周囲からの理解が得られない、あるいは適切な支援や相談が受けられないなどの懸念があることから、まずもって、当事者のご家族、支援者など関係者の深い理解と、理解に基づく特別な支援が必要であると認識してございます。

 そのため、若年性認知症の方への支援につきましては、65歳以上の方への支援と同様の介護サービスを導入するなど日常生活の支援に加えて、就労面などの支援があることから、今年度機能転換を図った在宅福祉センターきくの里に認知症総合支援センターを設置し、埼玉県の若年性認知症サポートセンターとも連携を図り、若年性認知症の方に対する支援に取り組んでおります。

 周知につきましては、若年性認知症に特化した周知は行っておりませんが、市が発行する認知症ガイドブックに含めて周知するほか、埼玉県や医療機関などの関係機関や関係団体等が作成する啓発冊子やチラシなどの窓口への配置などを行うことで、若年性認知症に対する理解を深めているところでございます。

 また、高次脳機能障がいの方につきましても、埼玉県の高次脳機能障害者支援センターをはじめとした関係機関と連携し、障がいの特性に応じたきめ細やかな支援を行っているところでございます。

 こちらの周知につきましても、高次脳機能障がいに特化した形では行ってはおらず、さまざまな機能障がいに対し、個別の状態に応じた支援が必要となることから、全体の障がいそのものへの理解や支援に注力しており、若年性認知症に関する周知と同様に、県や関係機関・関係団体等が作成する啓発冊子等の窓口配置や、関係団体が開催する理解啓発に関するイベントの後援など、高次脳機能障がいの理解や支援につながるよう取り組んでいるところでございます。

 次に、障がいの理解に関する職員向けの啓発活動や研修などについてでございますが、本市の職員も含め、地域や職場等における障がいへの理解は、さまざまな障がいのある方が地域で生活していく上で必要不可欠であり、大変重要なことであると認識しております。

 そのため、本市の障害者差別解消法の主旨に基づき、職員による障がいのある方への理解を深めるため、職員向け障害者差別解消法研修や職員対象手話講座などで、障がいのある方との関わり方や理解を深める研修会を積極的に行うなど、さまざまな機会を通じて職員に対する周知・啓発を図っているところでございます。

 次に、障がいへの理解を踏まえ、障がい者に対する就労支援はどのように行っているかについてでございますが、障がい福祉課を始めとした関係課においては、障がい者を含めた様々な背景がある方を意識しながら、草加市障害者就労支援センターや東部障がい者就業・生活支援センターみらい、ハローワーク、埼玉県、草加商工会議所などの就労や創業を支援する関係機関と連携し、障がい者も含め、様々な背景がある方に向け、セミナー、就職相談会、講座など様々な形で、就労や創業の支援や周知を行っているところでございます。

 次に、介護保険の第2号被保険者となった認知機能障がいの方に対する、介護保険課と障がい福祉課の連携体制等についてでございますが、介護保険の第2号被保険者のうち、介護保険サービスの対象となる特定疾病に該当する若年性認知症や高次脳機能障がいの方は、介護保険サービスの利用ができますが、就労訓練など対象者のニーズに馴染むメニューが備わっておらず、ニーズに応えられない場合がございます。

 このような場合には、介護保険課と障がい福祉課のほか、地域包括支援センターや相談支援事業所などの関係機関が相互に連携を図る中で、障がいの特性やご本人の意向によっては、障害者手帳の取得をご検討いただくなどしております。

 手帳取得の際には、障害福祉サービスにおける福祉的就労訓練をご利用いただくなど、介護保険と障害福祉サービスで併用できるサービスの円滑な利用を見据えた相談体制も含め、ご本人の特性やニーズに合わせて適切な支援がなされるよう関係機関で調整を行っているところでございます。

 最後に、重層的支援体制整備事業の現在の市の取組みについてでございますが、本市におきましては、令和4年度から重層的支援体制整備事業を実施しており、8050問題やひきこもりなどの制度の狭間や複雑化・複合化した課題に対し、各分野の関係機関同士が情報共有し、連携しながら、支援を行っております。 介護、障がい、子ども、生活困窮などの各分野における既存の相談支援機関において受けた相談のうち、単独の支援機関などでは対応が難しい課題に対しましては、庁内関係課や関係団体等が集まり、課題を受け止め、支援の方向性を共有することで、必要な支援や社会資源につなげてございます。その体制のなかで、福祉政策課が総括的な状況把握や関係機関との連絡調整を行っており、個々の支援につきましては、社会福祉法人草加市社会福祉協議会のコミュニティソーシャルワーカーが中心となり、関係機関と連携を図りながら、継続的、伴走的な支援を行ってございます。また、社会参加に向けた支援や居場所づくりにつきましては、社会福祉法人福祉楽団が、高砂一丁目の事務所の一部をコミュニティスペースとして開放し、誰もが気軽に集える場としたり、月1回発達障害をお持ちの方などが集える場をつくるなど、コミュニティソーシャルワーカーや関係団体などと連携を図りながら、取り組んでいるところでございます。

 

【再質問】

重層的支援体制の弊害となっている、いわゆる縦割り行政のあり方において、市の課題は?

 

【答弁】

重層的支援体制整備事業の弊害となっている縦割り行政のあり方における課題についてでございますが、本市においては、それぞれの分野での機能、役割を活かすなかでの包括的な支援体制の構築を目指しているところでございますが、重層的支援体制整備事業の意識啓発・理解促進の不足により、それぞれの窓口において属性や世代を問わない相談を受け止めることや分野の狭間をお互いに埋めていくことでの包括的な支援の体制としての機能がまだ十分に発揮できていない状況であると考えてございます。

引き続き、庁内や関係機関に対して、同事業に対する意識啓発・理解促進に努めるとともに、事例を重ねることで、役割分担や連携しながらの支援体制など具体のイメージを持ち、庁内、関係機関や地域にある社会資源などが、連携し、それぞれの機能、役割が発揮できるよう努めてまいりたいと考えてございます。

 

【要望】

重層的支援体制事業に着手し始めている草加市において、障害福祉サービスにおいて、若年性認知症や高次脳機能障害の方が取り残されることがないように、来年度からの障害福祉関連、介護保険関連、地域福祉関連などの事業計画に、若年性認知症や高次機能障害の方への支援策を記し、数値で見えるような事業評価を行いながら支援体制を整備していただくよう要望いたします。

 

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