表題の件、草加市の財政指標において、あくまで数字の推移を見た上での、個人的な見解を申し上げます。
大きく3つの点について、懸念があります。
(2024年6月現在での見解です。)
*繰り返しになりますが、あくまで数字の推移においての懸念点となります。
1 財政調整基金の積立・取り崩し状況について
<単位 億円>
財政調整基金とは、一言で言うなら使い道が自由な市の貯金です。
これを家計で言えば、いざという時に、または将来必要な時に自由に使えるよう備えた貯金です。家計でもそうであるかとは思いますが、基金(貯金)があることは、やりくりにおいて、また精神面においても余裕につながります。
財政調整基金がどの位あれば良いのかというと、数字の目安としては、標準財政規模の10〜20%と言われています。これは草加市で言えば、約47億円〜(令和4年 決算カードより)となりますが、積んでもその分取り崩している状態が続いていることが、一つの懸念点として挙げられます。
つまりは、毎年いわゆる自転車操業をしているかのような感じで、何とか数字合わせしている状況のようにみてとれます(くどいようですが、あくまで数字の推移を見た限りでは)。私はここに市の財政に余裕がない現況を垣間見てしまいます。
財政調整基金は、ただ積めばよいということではないので一概には言えませんが、一回どこかでお金を貯める為のまとまった期間が必要でないかということ、つまりは財政そのものに余力を作る期間が必要ではないかと、数字の推移だけ見れば思わざるを得ません。
2 地方債と公債費の元金の差について
<単位 千円>
次に、歳入の地方債と性質別歳出の公債費の元金との差です。これは、言い換えると、借りるお金(地方債)と返すお金(公債費の元金)の差です。
草加市は近年、借りるお金が返すお金より多い状況が続いています。
これは家計に例えると、一つのローンの返済が終わっていないにも関わらず、新たなローンを組み、返済額がどんどん増えてしまっている状況に似ています。つまりはこれを続けていたら、いつかは借金だらけになってしまい、破産します。
大規模事業が続いているのが、一つの原因です。事業を行うことが悪いわけではなく、借り入れにあたっては、慎重な検討が必要なのは、市も一緒ということです。
3 経常収支率の推移について
経常収支比率(%) | |
平成30年 | 101.3 |
令和元年 | 101.8 |
令和2年 | 102.2 |
令和3年 | 95.8 |
令和4年 | 99.1 |
経常収支比率は一言で言うならば、地方自治体の財政の弾力性を示している数字です。分かりやすく言えば、使えるお金のうち、固定経費が占める割合ということができるかと思います。経常収支率が80%なら、残り20%が柔軟に使えるお金ということになります。
つまりはこの比率が高いほど、財政の硬直化が進んでいると言うことができます。概ねこの数字の適正目安は、80%以下とも言われていますが、近年は90%以上の自治体が増えているのが現状です。
その観点で見ると、草加市の現状は、上のグラフと表の通りです。
新たにやりたいことがあっても、できない状況にあるのが現状です。
まとめ
以上3点が、私が思う草加市の直近の財政数字の、大きな3つの懸念点です。
自治体は自らが利益追求する組織体ではないので、やりくりが本当に大事になります。
それらが適正に行われているのか・・・ 議員の仕事に一つに、行政監視という側面があります。
市の状況をなるべく分かりやすくお伝えすることで、ある意味行政への牽制を行い、かつ解決提案ができるよう、自分の見識を高めてまいります。