高市新総裁が選出され、今後の経済対策に大きな注目が集まっています。その中でも、経済の動向を左右する重要なキーワードが「インフレ」と「デフレ」です。「あれ、どっちがどっちだったかな?」と、時々分からなくなる方もいらっしゃるのではないでしょうか。そこで、この二つの違いを分かりやすくまとめました。
インフレとは?
インフレ(インフレーション)とは、物やサービスの値段(物価)が全体的に上がっていく現象のことです。
例えるなら、「同じ1,000円で買えるものがだんだん少なくなる」状態。お財布の中身の価値が目減りするイメージです。
インフレの種類
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需要(じゅよう)によるインフレ(需要超過型)
→ 景気がよく、人々がたくさん買い物をすることでモノが足りなくなり、値段が上がる。
例:人気のコンサートチケットが売り切れ続出し、値段が高騰する。 -
コストプッシュ型インフレ
→ 原材料や人件費など「作る側のコスト」が上がることで、商品の値段も引き上げられる。
例:原油価格の上昇でガソリン代や電気代が上がる。 -
ハイパーインフレ
→ インフレが極端に進んで、物価が数倍・数十倍にもなる異常事態。お金の価値が急速に失われ、人々は商品や外貨でしか取引しなくなるケースも。
例:戦後の日本や、近年のジンバブエやベネズエラ。
デフレとは?
デフレ(デフレーション)とは、物価が全体的に下がっていく現象です。
「同じ1,000円で買えるものがだんだん増える」状態。
一見よさそうに見えますが、長引くと経済全体に悪影響があります。
デフレの問題点
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物が安くなりすぎると企業の利益が減り、給料も下がりやすい。
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「どうせもっと安くなる」と考えて買い控えが起き、景気が冷え込む。
為替(円高・円安)との関係
日本はエネルギーや食料などを海外から多く輸入しています。
このとき大きな影響を与えるのが為替レート(円とドルなどの交換比率)です。
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円安(1ドル=150円など円の価値が下がる)
→ 輸入品が割高になり、ガソリン・小麦・電気代などが上がる。
→ コストプッシュ型インフレにつながりやすい。 -
円高(1ドル=100円など円の価値が上がる)
→ 輸入品が安くなり、物価を下げる方向に働く。
→ デフレ圧力となる場合もある。 -
一方で円安は、海外にモノを売る輸出企業にはプラスに働き、円高は輸出には不利になる、という「明暗」があります。
まとめ
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インフレは「お金の価値が下がる」 → 物価が上がる
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デフレは「お金の価値が上がる」 → 物価が下がる
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円安は「輸入が高くなる」 → 物価上昇の要因に
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円高は「輸入が安くなる」 → 物価下落の要因に
そしてインフレにも「需要で上がるタイプ」「コストで上がるタイプ」「暴走するタイプ(ハイパーインフレ)」があることを知っておくと、ニュースがぐっと理解しやすくなります。