実質収支とは
歳入(入ってきたお金)から、歳出(出ていったお金)を引いたお金を、形式収支といいます。
実質収支とは、形式収支から、翌年度に繰り越すべき財源を差し引いたものです。
翌年度に繰り越すべき財源というのは、家計で言えば、後払いとなるカード決済と同じ感覚です。つまりは、ゆくゆく支払わなければならない、とっておかなければならないお金です。
翌年度に繰り越すべき財源を引くことで、実質的な収支が出されるわけです。
実質収支比率で、お金の使われ方に一つの判断
実質収支比率とは、実質収支を標準財政規模で割って100をかけた数字です。
つまりは、どれだけ標準的なサービスが行われているのかを、見極める数字です。
通常は、この数字は3〜5%が望ましいとされています。
自治体の場合、黒字がありすぎても、充分に税金が市民サービスに反映されていないという事にもなり、この辺りの采配が難しいです。
草加市は令和4年は12.6%、令和3年度は12.2% あります。
どうお金を振り分けるか・・・で数字が変わってくるので一概には言えませんが、これまでの説明で草加市はサービスにお金を使わなすぎているのでは・・・と思われる方もいらっしゃるかと思います。
その辺をもっと大きなくくりで判断する、もう2つの関連指標があります。それは、単年度収支と実質単年度収支です。
単年度収支と実質単年度収支
単年度収支は、今年度の実質収支から、前年度の実質収支を引いたものです。
そして、個人的に最も注視しているのは、実質単年度収支です。
これは、歳入から歳出を引いた金額から導かれた実質収支から、財政調整基金に積み立てたり、取り崩したり、繰上償還金(借金を早く返す)した金額を盛り込んだ数字です。
つまりは、どうやりくりしたか・・・が見て取れる数字です。
この推移を見ることで、常にお金がないのか、やりくりしてうまくコントロールしているのか、はたまた常にお金を貯めているのかが分かるかと思います。
草加市の状況は、上記の通りです。
令和3年のコロナの時と平成30年を除けば、実質単年度収支がマイナス推移なのが気になります。
この辺りは、シビアに見ていく必要があるかと思ってます。
まとめ
数字のどこをどう見るかで見解が分かれますが、自治体において財政をある状態にしようとするなら、力強いトップからの方針が示されないと、なかなか望む状態にならないように感じています。
また目標数値の共有も必要だと思います。
「財政健全化計画」と検索すると、将来の財政計画を数字で見える化している自治体があります。
今回取り上げた「実質収支」などの数字は、毎年出されている財政白書か何かで見える化してもらえると、数値の目標共有ができて良いかと思っています。