草加市では、国の重点支援地方交付金の一部を活用し、プレミアム商品券の配布を行う予定です。
今回の取り組みでは、「応募した方全員に、最低1冊は行き渡るようにする」という設計を行い、これまで指摘されてきた不公平感を少しでも和らげる工夫がなされています。
一方で、
「現金で配布できないのか」
「商品券は手数料や経費がかかるのではないか」
という声が多くあることも、よく理解しています。
いづれの方法をとっても、事務費や手数料がゼロになることはありませんが、商品券の場合には、印刷・配送・管理など、一定のコストがかかります。
今回はその辺りの市の実情をまとめました。
現金給付という選択肢と、マイナンバーの現状
では、仮に草加市で現金給付を行うとした場合、どのような課題があるのでしょうか。
一つの鍵となるのが、マイナンバーと銀行口座の紐付けです。
口座情報があらかじめ登録されていれば、
・給付までのスピード
・事務手続きの簡素化
・職員の負担軽減
といった面で、大きな効果が期待できます。
そこで、草加市のマイナンバーの現状を整理してみました。
【2025年12月現在】
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マイナンバーカードの保有枚数
約19万6,200枚 -
草加市人口
約25万2,400人 -
保有率
約78%
一方で、銀行口座との紐付け数については、市として正確な人数を把握できる仕組みがありません。国全体では、口座紐付け率は約64%程度とされています。
これを草加市の人口構成などに当てはめて考えると、おおよそ半数前後の市民については、職員が個別に振込手続きを行う必要が生じる可能性があります。
これは、
・膨大な事務量
・多くの人員
・給付までに時間がかかる
といった課題につながります。
プレミアム商品券について
こうした現状を踏まえると、現時点では、プレミアム商品券による支援が、最も現実的で安定した方法であると考えています。
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これまでの実績がある
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市内事業者の多くが取り扱いを経験している
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運営フローが確立されている
といった点から、結果としてここに落ち着いた、というのが実情のようです。
なお、配布にあたっては、これまで以上に市民の皆様への周知に力を入れるなど対応を行うとのことです。
広報については、広報そうか2月号にあわせて告知が行われる予定となっています。
これからに向けて
ただし、これは「現状での最適解」であって、将来にわたってこの形がベストだとは考えていません。
今後、
・マイナンバーカードのさらなる普及
・銀行口座との確実な紐付け
・自治体が安全に活用できる仕組みの整備
が進めば、現金給付がより迅速で、公平で、効率的に行える社会に近づいていくはずです。
行政の仕組みは、「できるか・できないか」ではなく、「どこまで現実的に、確実に実行できるか」が常に問われます。
その現実を踏まえつつ、より良い配布のあり方を、これからも考え続けていきたいと思います。
